韓国のICO事情:医療情報プラットフォーム実現の為のICOを行なうMediblocに聞く

医療情報プラットフォームのICOプロジェクト Medobloc(メディブロック)というICOをご存知だろうか?韓国のブロックチェーンスタートアップ企業だ。 今回CEOのAllen Wookyun Kho氏(氏はDrを持っている)が来日していたライミングで一問一答形式でICO NEWS独占でインタビューを行なうことができた。彼らのICOの話題以外にも韓国のICO・暗号通貨事業、東京とICOの今など貴重な話が多く飛び出した。 なお、このインタビューをお読み頂く前にこの記事が記事広告ではないことを明言しておく。 Medibloc概要 Mediblocは韓国で設立された医療スタートアップだ。医療といっても医療情報を扱うプラットフォームをブロックチェーン基盤上に作ろうとしている企業である。 この企業は先月ミスビットコインの藤本真衣氏をアドバイザーに迎えたと発表し、国内向けにプレスリリースを打っていた。 なお、サイト・ホワイトペーパーに関して日本語で作成をしている為、ICO参加の有無を問わずぜひお読みいただくのが宜しいのではないだろうか。 LINK: Whitepaper(PDF) それでは話をMediblocのビジネスに移そう。彼らのICOを紐解く中で、ICOに向いているのはどんなプロジェクトで、どんな効果をトークンに持たせるか(トークン設計)という部分で現在ICOを考えている事業者の皆さま、ICOへの参加を考えている皆さまに参考になる部分が多いだろうと思っている。 ―Mediblocはどんな会社? Kho:法人は韓国国内に設立している。現在韓国で20名ほどの従業員を雇っている医療スタートアップである。 ―MediBlocのシステムと対象ユーザーは? Qtumのブロックチェーン上にMediblocの機関システムが乗る設計だ。ここで彼らは自社トークンであるMED Coinを流通させて医療情報に価値をもたせるプロジェクトを行おうとしている。 これがまさにMediblocだ。彼らの説明によるとMediblocは大きく3つの階層に分類される、Medibloc Appsと呼ばれる医療情報・解析・検索エンジンを載せる上の層、そしてMedibloc Servicesという識別・情報処理・MED Coinが乗る。最後にMedibloc Coreという層がありここにデータネットワークが乗るという構造だ。 Kho:つまるところ、Mediblocは医療情報をブロックチェーン上に載せるプラットフォームです。一般市民・医療従事者・研究者を対象とします。 ―Medibloc上に医療情報が乗るというが希望すればそれら情報は全て他人に見られてしまうのか? Kho:これは場合によります。当然見られたくない個人の医療記録なども存在する可能性が高く、こうした情報を隠すことができます。またブロックチェーンで管理することのメリットとして、誰がどんな用途でいつ自分の医療データにアクセスしたかそのログが残るところが大きいです。 ―どんなユースケースを考えているのか? Kho:まずは医療機関との提携を考えている。それにより例えば病院で問診票に”Mediblocに診察データを載せることを許可する”のような項目があってそこにチェックを入れることで医療データをブロックチェーン上に載せる裏側のシステムを提供していくことを考えている。 そのような医療情報の収集により、個人のMediblocアカウントのデータが溜まり本人が希望すれば研究・医療従事者が活用できる医療情報プラットフォームとなる。そのデータの活用に応じてMediblocの発行するトークンにインセンティブとしてリターンが返ってくる仕組みを作っている。 医療分野は旧来より守られてきた既得権の多い分野で、こうした分野をディスラプトすることがブロックチェーンテクノロジーを活用することにより可能になると考えている。 ーミスビットコインと知られる藤本真衣さんがアドバイザーに就任しましたね。この意図は何ですか? Kho:ええ、そうだ。藤本真衣さんにアドバイザーに就任してもらった。彼女はすでにICOのプロジェクト(Breadwalletなど)でアドバイザーを務めているし、彼女は日本向けのプロモーション・マーケティングだけでなく、日本の企業や医療機関との提携など進めていく上で重要な鍵を握っていると考えており、今回我々のビジョンに共感してくれたこともあり就任していただいた。 ー話をICOのビジネスに戻します。医療データを個人入力させるとしたら大変ハードルが高く、ユーザーが増えないのではないですか? Kho:当然のことながらその点は考えている。現在ウェアラブル端末の販売メーカーやビッグデータをもっているグローバル企業など複数と提携を含めて交渉をしている最中である。 (取材後、Mediblocはアジア最大のヘルスケアグループであるOracle Medical Groupとの連携を発表した。 Source:Medium) (事業拡大を図るには)医療業界全体を巻き込む必要があると考えており、既に韓国ではコンソーシアム構想を発表している。我々はこうしたコンソーシアム構想の実現を”まずは韓国から”目指している。 ー事業の展開スケジュールを教えてください Kho:2018年テストとして韓国国内で実際に医療機関と提携して実験を行なう予定だ。韓国で実績を築いてから、その後日本を含めたアジア地区に進出していく方針だ。 Point:ICOでの調達とはいえ、ローカルマーケットを抑えてからワールドワイドな市場へ ー韓国ICOが規制されたと聞きましたがこの最新情報を教えてください Kho:あれは政府からのオフィシャルな中止(BAN)がされた訳ではない。注意喚起の通知は発表されたが法規制がされたという認識は我々にはなく、同様の見解を顧問弁護士からも受けています。 ー韓国では暗号通貨が人気だと伺いましたが、どうですか? Kho:面白い話を教えてあげよう。先週韓国で70歳くらいの人がオフィスの近くにいたのだがスマートフォンで何かを話していたので何を話しているのか少し気になって聞き耳を立ててみた。そうしたら『Rippleを買いたいんだけど・・・』と話していて驚いた。 韓国では暗号通貨は非常に身近な存在になりつつあると感じているよ。 ICOに参加する支援者・投資家について ーICOの参加者は皆、あまりにも簡単に資産を増やせると思い参加している印象はありませんか? Kho:そのようだと感じることはある。ICOでリターンを得ることは(個人的には)難しいかというとそうでもないと思うのだが、だからといって情報をあまり知らない素人にICOの目利きを行なうのが簡単かというとそうではないと思っている。 ー最後に。東京では毎週のようにICOのイベントが開催されるようになりました。今や東京が世界一ICOがホットな地域になっているのですか? Kho:わからないね(笑)。この質問をそのまま私があなたに聞きたいと思うよ。 インタビューを終えて インタビューを通してまだまだ本当に医療データが集まってプラットフォームとして機能するのか未知数な部分が大きいという印象も受けた。そういった意味ではまずは来年の韓国国内でのテストが上手くいくかどうかを重要視すべきだろう。 実際このインタビュー後Medibloc社は、Oracle Medical Groupとの提携を発表した。このような大規模提携を進めることがある種ICOで誕生したプロダクト・サービスの大きな展開方針になるのは間違いないだろう。こうして見るとICOはシステムこそ脱中央集権的に運用されると説明されるものの、総初期から海外展開を見据えたスタートアップの戦略のそれに近い印象を持ってしまう。 Mediblocが実際にビジョンを実現することができるのかを我々は注意深く見守りたい。 特に重要な点はICOはプロジェクトに紐付いた形での資金調達であるという点だ。仕組み上ICOによって調達した後、現実問題ほぼ”ピボット”(事業内容の変更)が許されないであろう。最初からグローバル・最初から一本の戦略で攻めるICO、事業者は常に背水の陣だということだ。 (画像引用:Medibloc公式サイト)
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